サツキの手入れ
■一年間のさつきの手入方法
※ここで示す方法は、関東・中部地方を標準とした一年間の手入れ方法です。
▼1月の手入れ
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灌 水 |
3~4日に1回を目安にして、暖かい日の午前中に行います。午後3時以降の灌水は、凍害の危険があるので避けます。 |
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施 肥 |
サツキの生育休止期ですから、肥料は一切与えません。 |
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病害虫防除 |
この時期は病害虫の活動がないので、予防は必要ありません。 |
▼2月の手入れ
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灌 水 |
3日に1回を目安に、鉢土の乾きを観察して、灌水を行います。 |
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施 肥 |
下旬に芽出し肥として、油カス8に骨粉2を混ぜた玉肥を、5号鉢を標準に2~3個施します。 |
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病害虫防除 |
今月も必要ありません。 |
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積雪対策 |
降雪前に軒下に取り込みます。雪で枝が折れた場合には、折れた部分にゆ合剤を塗って、室内で保護します。 |
▼3月の手入れ
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灌 水 |
今月の水不足はツボミ枯れの原因となります。1~2日に1回を目安にして灌水を行います。 |
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施 肥 |
2月下旬に芽出し肥を行っていない場合は、上旬に1回施します。 |
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病害虫防除 |
暖かい地方では下旬頃からアブラムシ、ハマキムシ、ツツジグンバイムシ、シンクイムシなどが発生します。マラソン乳剤かディプテレックス乳剤の各1000倍液に展着剤を少量加えて散布します。 |
▼4月の手入れ
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灌 水 |
今月は新葉の展開期です。特に水を欲しがりますので、1日1~2回を目安にたっぷりと行います。 |
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施 肥 |
花を見る鉢は、今月は中止します。養成中の鉢は、中旬に玉肥を10号鉢で5~6個施します。 |
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病害虫防除 |
新葉にアブラムシ、ルリチュウレンジハバチが発生します。オルトラン水和剤かカルホス乳剤の各1000倍液を散布して駆除します。 |
▼5月の手入れ
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灌 水 |
ツボミが大きく膨らんできます。灌水は1日2回を目安に行います。ただし、中旬以降ツボミが開いてきたら根水のみにし、葉水は行いません。 |
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摘 蕾 |
上旬、混み合ったツボミを間引きし、一輪一輪を大きく咲かせます。 |
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病害虫防除 |
開花中、花腐れ菌核病が発生します。予防的に上~中旬、バイレトン乳剤やダコニール1000水和剤の各1000倍液を7日間の間隔で3~4回散布します。 |
▼6月の手入れ
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灌 水 |
根水を中心に1日2回を目安に行います。梅雨でも鉢の乾き具合で与えます。 |
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施 肥 |
花後、お礼肥として玉肥を施します。植え替えた鉢は作業後10日~14日を経てから少量施します。 |
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花がら摘み 植え替え |
花を咲かせて樹も疲れているため、盛りを過ぎたら花柄をすべて取り除きます。また、水はけの悪い鉢は、出来るだけ早く植え替えを行うことが大切です。 |
▼7月の手入れ
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灌 水 |
梅雨明け後は朝夕2回たっぷりと与えます。 |
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施 肥 |
花後に植え替えたものは、約2週間経過したら肥料を少量施します。それ以降は施しません。 |
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病害虫防除 |
梅雨明け後は特にグンバイムシ、スリップスが多発します。グンバイムシにはスミチオン乳剤やマラソン乳剤、スリップスにはオルトラン水和剤の各1000倍液を散布します。 |
▼8月の手入れ
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灌 水 |
高温乾燥機で鉢土が乾燥しますので、1日2回行います。 |
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施 肥 |
上・中旬は行いません。下旬には少量施しましょう。 |
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病害虫防除 |
高温乾燥期にはハダニが大発生します。殺ダニ専用のケルセン乳剤、オサダン水和剤の各1000倍液を散布します。
また、ツボミ形成時にシンクイムシ(ツボミムシ)の被害があります。予防にディプテレックス乳剤1000倍液を散布します。
ただし、日中散布すると薬害が生じやすいので早朝か夕方に行います。 |
▼9月の手入れ
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灌 水 |
上旬はまだ残暑があります。灌水には気をゆるめず、1日1~2回を目安に行います。 |
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施 肥 |
樹姿や根を充実させる時期ですので、油カスに骨粉を2~3割混ぜた玉肥を月1回施します。 |
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病害虫防除 |
ハダニ、スリップスが先月同様多発します。ハダニにはケルセン乳剤やオサダン水和剤、スリップスにはオルトラン水和剤の各1000倍液を散布します。 |
▼10月の手入れ
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灌 水 |
しだいに涼しくなってきますので、1日1回の灌水で十分です。 |
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施 肥 |
中旬に最後の置肥(止め肥)を施します。なお、中旬以降に与えますと、初冬に寒害(幹割れ、皮ばなれ)を受けますので注意します。 |
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病害虫防除 |
シンクイムシ、グンバイムシがまだ発生します。マラソン乳剤やディスプテレックス乳剤の各1000倍液を散布して、徹底的に駆除しておきます。 |
▼11月の手入れ
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灌 水 |
気温が下がってきます。上旬は1日1回、中旬以降は2~3日に1回を目安に行います。 |
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施 肥 |
休眠期に入っていますので一切施しません。 |
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病害虫防除 |
暖かい日和にグンバイムシなどが見られます。マラソン乳剤で駆除します。晩秋から葉に対して病害が発生しますので、ベンレート水和剤2000倍液、ダコニール水和剤600倍液を散布します。 |
▼12月の手入れ
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灌 水 |
3~4日に1回を目安にして、暖かい日を選んで午前中に行います。風の強い日は注意が必要です。 |
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施 肥 |
休眠期に入っていますので、肥料は一切施しません。 |
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病害虫防除 |
褐斑病や炭素病、斑点病の予防として、ダイセンステンレス乳剤2000倍液を散布します。 |
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その他作業 |
鉢土の清掃、幹洗い、せん定、徒長枝の除去などを行います。また、来年よい花を咲かせるために、定期的に鉢廻しを行います。 |