原因不明の新病害に注意!
■各地で被害拡大!今後の流行に警戒を!
2004年に入ってから、全国各地(主に関東以西)の愛好家から、これまでには見られなかった新しい症状の病気に関する問い合わせが相次いでいます。
一部の情報では5~6年前から発症していたということですが、未だもって明確な原因が判っていません。
今後ますます被害が拡大されると考えられます。この病気の対策方法を探ってみましたのでお知らせいたします。
■どんな病気なのか?
第一印象は、ダニかスリップスの被害の様に見えます。また、モチ病の初期症状の様にも見えます。しかし、症状が悪化して落葉したり、枯死したりと言うことは起こりません。
葉裏を見るとダニが付いていたりするする事もありますが、ダニは直接関係ないようです。
主な症状は以下の通りです。
①芽出しの頃に発症する
②新芽だけでなく、越冬葉にも発症する
③発症した葉は部分的に縮れて湾曲したような奇形になる
④部分的に退色し、黄色いまだら模様が現れる
⑤新芽に発症した場合には、完全に展開せずに生長が止まる
⑥時にはダニの被害のように葉の表裏に褐色の斑紋が現れる
⑦奇花が咲いたり、花弁が全開しない異常花が咲くこともある
⑧5~6月に1度症状が軽くなる
⑨翌年も発症する
⑩カキ、ウメなどの庭木などにも発症する
■対策方法は?
現在、効果のある対策方法は以下の通りです。
①病症の現れた葉をすべて刈り込み、焼却する
②樹、鉢土、棚の周辺をマンネブダイセン1000倍液で消毒する
③大発生が見られた場合は、秋に同薬を散布して、越冬芽に菌糸が付着するのを防除する
④芽出しの頃から同薬を7日おき程度に2~3回散布する
また、新種外来スリップスの可能性もあるといわれており、これらを防除するにはDDVP乳剤、エルサン乳剤、ボルスタール乳剤、トクチオン乳剤、エンセダン乳剤、コテツフロアブル、モスピラン水溶剤などが有効であるとの報告があります。
これらの薬剤のうち数種類を(抵抗性を回避するために)ローテーション散布してください。
また、発症した樹は病徴の現れた箇所を除去するしかありません。病徴の激しい固体は感染源になる危険性があるので、あきらめて焼却する事も考えてください。
もし、ミカンキイロアザミウマとおぼしき虫の寄生が確認されたら、お近くの病害中防除所や農業改良普及所などにご相談ください。
また、モチ病の変種と外来のスリップスの複合的な被害であるとの見方もあります。
[2005/06/03掲載]