【続報】原因不明の新病害に注意!
■各地で被害拡大!今後の流行に警戒を!
2004年に入ってから、全国各地(主に関東以西)の愛好家から、これまでには見られなかった新しい症状の病気に関する問い合わせが相次いでいました。その原因説はウィルス性の新しい病気、外来新種の害虫などいろいろありました。
ところが、2005年は、被害が減少し、完全に正常な状態に戻ったという事例も多く聞くことができました。その多くが、原因をダニの一種、ホコリダニと推定した対策方法でした。今回は、このダニを原因と推定しての防御策をご紹介します。
■どんな病気なのか?
ホコリダニは、温度条件さえ揃えば年中発生します。(ビニールハウスでは1年中、暖かな地域では早春から晩春まで)
成虫の状態で越冬し、芽吹きと共に加害を始めます。
①芽出しの頃に発症する
②新芽だけでなく、越冬葉にも発症する
③発症した葉は部分的に縮れて湾曲したような奇形になる
④部分的に退色し、黄色いまだら模様が現れる
⑤新芽に発症した場合には、完全に展開せずに生長が止まる
⑥時にはダニの被害のように葉の表裏に褐色の斑紋が現れる
⑦奇花が咲いたり、花弁が全開しない異常花が咲くこともある
⑧5~6月に1度症状が軽くなる
⑨翌年も発症する
⑩カキ、ウメなどの庭木などにも発症する
■対策方法は?
現在、効果のある対策方法は以下の通りです。多発期前からの予防散布を心掛けましょう。
発生した場合は、芽出し頃から晩秋まで消毒することが大事です。下記の殺ダニ剤に殺虫剤を加えて散布すると良いでしょう。
ただ、ダニの抵抗性を避けるために、複数の薬剤を交互に散布することが重要です。5~7日おきの散布が良いと思います。
①オサダン水和剤2000倍液、
②コロマイト乳剤、サンマイトフロアブル、ダニトロンフロアブルの1000~2000倍液、
③アファーム乳剤、バロックフロアブル、コテツフロアブルの2000倍液など。
■最後に
上記の原因・対策は、ダニを原因と推定しての防御策です。しかし、原因については、いまだ特定には至っておりません。多くの方々の経験と観察の結果、ホコリダニなどのダニの一種が主原因であろうという推定に基づいた記事です。
今後研究の進展によっては、全く別の害虫や病原菌が原因であると判明される可能性があることをご承知下さい。
[2006/05/20掲載]